熊本大学大学院生命科学研究部(基礎医学系)総合分子医学分野 喜多研究室

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プロフィール

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喜多 加納子きた かなこ

熊本大学大学院生命科学研究部(基礎医学系)総合分子医学分野 助教

現在、神経幹細胞やプロテオミクスの研究だけでなく悪性度の高い癌に対する治療法の開発など様々な研究を展開しております。熊本大学では研究者が有する技術で熊本地震から復興することを目的とした「熊本大学復興支援プロジェクト」が立ち上がり、私はその中の「産業復興プロジェクト」を拝命しております。ここでは私の有する独自の技術を用いて地場産業の新商品を生み出すべく地元企業と共同研究開発を行っております。「蛋白質をカギに人々の助けになる研究を」を心掛けております。

career

2004 大阪大学大学院博士前期課程卒業(理学研究科 生物科学専攻)
2007 平成19年 大阪大学大学院博士後期課程卒業(理学研究科 生物科学専攻)
2007 平成19年 博士(理学)取得
2004/05 - 2006/02 21世紀COEリサーチアソシエイト(大阪大学・蛋白質研究所)
2007/05 - 2007/12 文部科研研究員(熊本大学発生医学研究所)
2008/01 - 2010/03 グローバルCOEリサーチアソシエイト(熊本大学発生医学研究所)
2010/04 - 2010/10 産学官連携研究員 (熊本大学大学院生命科学研究部)
2010/10 - 2017/06 熊本大学大学院生命科学研究部機能病理学分野 助教
2017/07 現所属

awards

2015 平成27年度熊本大学研究活動表彰
2014 平成26年度熊本大学研究活動表彰
2006 大阪大学21世紀COE最優秀ポスター賞 (9月)
2006 大阪大学21世紀COE最優秀ポスター賞 (3月)

心掛けていること

よく色々な方から好きな歴史上の人物は?と尋ねられます。
魅力的な人物は沢山いて数えきれませんが、すぐ私の心に思い浮かぶのは3人の傑物、上杉謙信、直江兼続、高杉晋作でしょうか。
私は、幼少期より上杉信玄、直江兼続、高杉晋作の逸話を両親から聞き、何より『義』と『個性』を大切にするように育てられました。
越後の虎上杉謙信と愛の兜を掲げる直江兼続が好きで新潟県上越市の春日山城跡、上杉謙信が自身を毘沙門天の化身と信じ悟った南魚沼市の浦佐毘沙門堂、直江兼続が上杉景勝と共に幼少期に修行した雲洞庵を訪ね、遺徳を偲び、そこでは幼いながらも何か目には見えない力を感じ取り胸を打つものがありました。
上杉謙信も直江兼続も人間の絆を軽んずる戦乱の世おいて人を信じ、人として正しいことをする『正義』を重んじました。歴史上に猛将は数居れど、人としての美しさ高潔さに畏怖の念を抱きます。
一方、山口県萩市にある松下村塾が残されている松陰神社を訪ねた際、そこで学んだ高杉晋作は、幕末動乱の中、松下村塾において「鼻ぐりの無い暴れ牛」と呼ばれひと際『個性』が強く異質な存在でしたが、吉田松陰は「気魄他人及ぶなく、人の駕御を受けざる高等の人物なり」とその素質を見抜き、晋作の『個性』を削ぐことなく大切にしました。そして晋作は凡質からはるかに突き出た「奇士」に育ちました。
そして、研究者となった今も、私にとって大切にしていることは『義』と『個性』です。
『義』は、大きくは自分の推進するその研究に大義はあるかを問いかけます。すなはち、誰かのために役に立てるか、誰かの幸福に繋がるものなのか、いつも考えさせられます。同じく、私を支えて下さる周りの方々を大切にし、日々感謝の気持ちを持って義を通すことこそが一番大切であるという思いに至ります。
『個性』は、オリジナリティーのある自由な発想にも繋がるので、研究者として最も大切にするべきものであると感じます。個性を決して埋没させることなく、型破りなくらいでも良いと思います。
今、推進している研究は癌治療法の開発などの疾患研究、産学連携、地方創生、など、全て挑戦的で壮大な研究テーマですが、自らの有する特殊技術や着想で次々に解決を図る一方、共同研究者を始めとする周りの方々の助けを得ながら、最善を尽くし、何か人に役立つものを成したいと考えております。
難解な命題に挑もうとするとき、数多の困難が立ち向かいますが、私はとても運が強く、ピンチが訪れると必ず助けの神が現れるのです。これも人との絆を大切にしてきたことで救われてきたように思います。ご縁に感謝すると共に、今度は、天から与えられた使命を果たすことで自らが皆様の役に立つ番だと思っております。全てのプロジェクトに「獅子不欺之力(ししあざむかざるのちから)」で挑みたいと思いますので、御指導・御鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。